①早刈りそば（早期収穫そば）

　福井のそばや越前そばは、完全に黒くなった子実の割合を示す黒化率が40～70%の段階で収穫をします。これは、 通常のそばよりも1週間～2週間程度早く収穫されることになります（通常のコンバイン収穫は黒化率70～80%で収穫を行います）。完熟そばと比べて香りが強く、そば粉や麺が鮮やかな緑色を呈するのが特徴となります。緑色は消費者に新鮮なイメージを与えるために実需者からの評価も高くなっています。
　また、香りの点だけでなく、ポリフェノール、ルチンの含量が高く、抗酸化性も高くなることから、健康機能も期待されます。早期収穫のそばは、穀粒および茎葉にも水分が多く残っているため、以前はコンバインの受け網などを一部改造して収穫する必要がありましたが、近年の汎用コンバインは早刈りそばの収穫にも対応するようになりました。
　早刈りそばは、主に坂井市丸岡町と大野市で生産されており、実需者から高い評価を受けています。しかい、粒が未熟な状態で刈り取ってしまうと、通常収穫に比べて収量が20%程度減少するので、実施面積はやや減少傾向にあります。

②雪室（ゆきむろ）そば

雪室そばとは、雪を利用した冷温貯蔵庫「雪室」で貯蔵したそばになります。玄そばの状態で保管することができ、雪の冷気を活用することによって、一年を通して1～4℃程度の低温を一定に保つことができます。そのため、そばの劣化を抑えることができ、そばを新そばに近い状態で保つことができます。
　勝山市では、平成27年より市内の冷温倉庫で雪室貯蔵試験を行っており、夏には市内そば店で数量限定販売をしています。そば店からは、雪室貯蔵そばのそば粉はしっとり感があり甘味が強く、粘りがありそば打ちがしやすい、夏でも色や香りは新そばと遜色ないと評価され、好評です。

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