蕎麦湯を飲む理由:あなたは飲んでみた事がありますか?

蕎麦好きの人の間で蕎麦湯を飲むという人は多いですよね。
ざるそばやもりそばのシメに蕎麦湯をいただくのが一般的です。
蕎麦湯を飲む風習は地域によっても違いがあり、飲む人、飲まない人それぞれ。
個人差が出てきます。
今回は蕎麦湯についてお話していきます。

蕎麦湯を飲むようになったのはいつから?

蕎麦湯はいつぐらいから飲まれるようになったのでしょうか。
昔の書物の中で、『本朝食鑑(ほんちょうしょっかん)』に蕎麦湯が記されています。
本朝食鑑は、江戸時代に出版され、庶民の日常食糧について書かれている書物です。
蕎麦湯について「そばを食べ過ぎても蕎麦湯を飲むと食あたりしないで済む」といった記載が確認されています。
その後、江戸時代の寛延4年(1751年)に日新舎友蕎子(にっしんしゃ ゆうきょうし)によって記された『蕎麦全書』でも、蕎麦湯を飲むと消化が良いという理由で、信州で蕎麦湯を飲んでいた習慣があると記述があるのです。
江戸で蕎麦湯を「信濃風」として提供していたと書かれています。

江戸時代の書物を参考にしてみると、消化が良いという理由で蕎麦湯が飲まれていたという事、そして江戸でも信濃風という形で蕎麦湯を飲むのが普及していったというのがわかります。

そばの栄養を余すところなく摂れるのが蕎麦湯の良いところ!

そばが栄養豊富だというのは知っている人も多いと思います。
そばに含まれるルチンは、血管強化作用や抗酸化作用があるといわれているポリフェノールの仲間です。
食物繊維も豊富に含まれています。
そしてそばは、糖質や脂質の代謝や疲労回復にも役立つビタミンB1やB2が豊富です。
たんぱく質も豊富で、日本食品標準成分表によると、茹でる前のそば100gに対し、たんぱく質の量は10gと豊富に含まれています。
精白米のご飯100g中のたんぱく質量は2.5gなので、良質なたんぱく質源としても活用できますね。
たんぱく質の中には必須アミノ酸も豊富に含まれています。
必須アミノ酸(イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、 バリン、ヒスチジン)は体の中で作られないため、食品から摂取する必要があるアミノ酸です。
たんぱく質の栄養価を表すアミノ酸スコアでは、あじ(生)やじゃがいも 、卵 、キャベツ 、牛乳などは100あります。
そばはアミノ酸スコア90と高めで、ご飯が65、パンの44に比べるとアミノ酸が豊富に含まれているのです。

 

茹でてしまうと流れ出る栄養成分もあります

ここまでそばには栄養豊富だという事がわかりましたが、あくまでも茹でる前となる生そばでの話。
茹でるとビタミンB1やB2など水溶性の栄養はゆで汁の方に流れ出やすいです。
ちょっと残念な話でもありますが、ちょっと考え方を変えてみるとそばを茹でたゆで汁は栄養が豊富だという事になります。
蕎麦の栄養を余すことなく摂ることが出来るという意味では、蕎麦湯を飲むのは理にかなっているといえるでしょう。

 

関西エリアではあまり普及していない場合も

蕎麦屋さんでは、ゆで汁に含まれている蕎麦の栄養も摂ってほしいという想いから蕎麦湯が提供されています。
蕎麦湯を飲む習慣がある地域では当たり前のように飲まれていますが、蕎麦湯の存在を知らないという人もいるのです。
例えば関西エリアでは蕎麦よりもうどんの文化が強かったので、蕎麦湯を飲む事を知らない人もいますし、中には驚く人もいるほど。
ちなみにうどんのゆで汁には蕎麦ほど特筆するべき栄養がありませんので、うどんのゆで汁を飲むメリットは特にないと考えられます。

蕎麦湯の楽しみ方をご紹介

栄養豊富な蕎麦湯、まだ試してみた事がない人も「飲んでみようかな?」と思っていただけましたでしょうか。
自宅でそばを茹でた時、そして蕎麦屋で蕎麦湯が提供された時には是非、蕎麦湯を飲んでみてください。
「蕎麦湯はそのまま飲むのですか?味があまりないのでは?」と質問される事もあるのですが、基本的に蕎麦湯はそのまま飲むというよりは、食べ終わって残っためんつゆに蕎麦湯を入れて飲む方法がおすすめです。
めんつゆと一緒に飲む蕎麦湯は優しい味。
物足りないと感じた時は、ワサビなどの薬味をちょっとプラスして飲むのもおいしいですよ。
蕎麦湯はちょっととろみがあるので、寒い冬に飲むと体が温まりますし、蕎麦湯の優しい味が染みわたるような感じです。
蕎麦湯の提供は蕎麦屋さんによって違いがありますので、もし蕎麦湯を飲んでみたいという時は店員さんに「蕎麦湯はありますか?」と聞いてみると良いでしょう。

永平寺そばのおいしいおそばをお取り寄せで!蕎麦湯も是非お試しください

永平寺そば極では、「永平寺そば 手打ち十割生そば」と、「永平寺そば 乾麺」のお取り寄せが可能です。
特に小麦の入っていない手打ち十割そばは、蕎麦湯を楽しむのにもおすすめです。

永平寺町産のそばは、完熟後に刈り取りを行っている「永平寺町産玄そば」を使用しています。
芳醇な香りと甘みが特徴です。
生そばを食べる時には、蕎麦を茹でた蕎麦湯も一緒にお楽しみください。

その他のコラムを読む

越前そば雑学

ページトップへ