メニューで見かける二八蕎麦と十割蕎麦にはどんな違いがあるの?

蕎麦は日本の食文化に欠かせない存在であり、その奥深い味わいは多くの人々を魅了しています。

 

しかし、蕎麦には様々な種類があり、その中でも特に人気なのが「二八蕎麦」「十割蕎麦」です。

これらの蕎麦は、それぞれ異なる味わいと食感があり、どちらを選ぶかはまさに好み次第です。

 

 

二八そばと十割そばでは粉の割合が違う

 

まず、蕎麦を打つ際に用意する粉の割合が違います。

 

・十割蕎麦 そば粉の割合が十割

・二八蕎麦 そば粉が八割、つなぎの粉が二割

 

 

蕎麦の呼び方は、そば粉とつなぎの割合で決まります。

二八蕎麦と十割蕎麦はよく見かける定番ですが、他にも様々な粉の配合割合で打たれた蕎麦が存在します。

 

それぞれの特徴とおすすめの食べ方を以下にまとめました。

 

・九一蕎麦:そば粉が九割、つなぎの粉が一割

・外一(といち)蕎麦:そば粉が十割に対しつなぎの粉が一割

・外二(そとに)蕎麦:そば粉が十割に対しつなぎの粉が二割

 

粉の配合割合によって、蕎麦の味わい、風味、喉越しは大きく変化します。

 

二八蕎麦はなめらかな喉越しと豊かな風味、十割蕎麦は強いコシとそば本来の香りを楽しめますが、蕎麦好きにとってどれが好みなのかは個人差があります。

 

「二八蕎麦」の語源:興味深い説と謎

二八蕎麦の起源は、そば粉と小麦粉の配合割合が8:2であることから、江戸時代の16文という銭の単位にちなんで名付けられたという説があります。

2×8=16文という語呂合わせが、当時の人々の間で親しみやすさを生んだと考えられます。

 

江戸時代の人々は、隠語や語呂合わせを好む文化があったため、この説も十分にあり得るでしょう。

しかし、現時点では確証はなく、二八蕎麦の真の起源は謎に包まれています。

 

 

 

 

「蕎麦」と名乗るには?そば粉の割合と表示ルール

そば粉の割合が少ない商品でも「蕎麦」と名乗って販売されているのを見かけたことはありませんか?

 

実は、“不当景品類及び不当表示防止法に基づく「生めん類の表示に関する公正競争規約」” では、生麺の場合、そば粉の割合が3割以上であれば「蕎麦」と表示できると定められています。

 

しかし、乾麺の場合は、そば粉の割合によって表示方法が異なり、2割以下であれば「2割以下そば」、1割以下であれば「1割以下そば」と表示する必要があります。

つまり、蕎麦商品の中には、そば粉の割合が少ないにもかかわらず蕎麦と表示されている場合もあるので注意が必要です。

 

蕎麦商品を選ぶ際には、表示をよく確認し、自分の好みに合ったそばを選ぶようにしましょう。

 

 

 

 

二八蕎麦と十割蕎麦の味わいの違い

 

二八蕎麦が好みだという蕎麦好きの意見として、小麦粉がつなぎで入っている分、麺のしなやかさ、そして食べた時にのどごしが良いという意見が多いです。

 

一方、十割蕎麦が好きな人は、そば本来の風味や味わいを重視する傾向があります。

 

どちらを選ぶかは好みですが、それぞれの魅力を理解することで、より深い味わいを楽しむことができますね。

 

 

 

 

十割蕎麦はお店の特性も見えやすい

十割蕎麦で使用するそば粉に関してはお店によって違いがあります。

 

実の殻も入っている場合は蕎麦の色がやや黒い仕上がりになりますし、色が薄めのそばは殻を取り除いて甘皮がついている「丸抜き」の粉を使用している場合が多いです。

 

ここ最近見かけるようになった白い蕎麦の場合は、甘皮も取り除き、さらに蕎麦の実の芯のみを使用している「さらしな粉」を使用している場合もあります。

 

ひとことで十割蕎麦といっても、お店によって使用しているそば粉の内容、こだわり次第で蕎麦の見た目も変わってくるのです。

 

 

 

 

蕎麦打ちの粉の配合割合で保存性に違いが出てくる

十割蕎麦よりも、つなぎを入れて作られた二八蕎麦の方が保存性は高いので、一般的な蕎麦屋や乾麺では二八蕎麦で作られる事が多いです。

 

風味重視で生めんで提供する、冷凍や冷蔵で鮮度を落とさない方法で十割そばを提供している蕎麦店も増えつつあります。

 

蕎麦とつなぎの割合次第で仕上がりにも違いがあります

これは実際にそばを打ったことがある人であればわかる事なのですが、十割蕎麦で作ると小麦粉のグルテンが含まれていない分、サクサクと蕎麦を切りやすい感触が伝わってきます。

切り口もきれいなので、見た目の仕上がりもきれいです。

 

二八蕎麦の場合は、若干グルテン成分が生地に含まれていますので、切る際に重さを感じ、切り口も十割よりは綺麗さは劣ります。

 

 

十割の越前おろしそばは格別

 

福井県を代表する蕎麦といえば越前おろしそば。

冷たい蕎麦に辛味大根の大根おろしをたっぷりとかけ、削り節、刻みネギを乗せて食べます。

 

慶長6(1601)年、府中の領主でもある本田富正(とみまさ)が蕎麦職人の金子権左衛門を連れてやってきた時に、健康面に考慮して大根おろしと一緒に食べる蕎麦を考案したのが越前おろしそばを考え出したのがきっかけだといわれています。

 

大根おろしはジアスターゼと呼ばれる消化酵素のおかげで、消化にも良く、胃腸への負担も少ない、理にかなったメニューといえますね。

 

越前おろしそばは、十割そばで風味豊かな味わいを楽しむのがおすすめです。

 

 

永平寺そば極のそばは通販でも食べられますが、福井に足を延ばした際は店舗で味わってみてはいかがでしょうか?

 

越前おろしそばと相性が良い越前辛味大根は7月上旬〜7月下旬、10月下旬〜12月下旬が旬です。

この時期に福井にいらした際は是非、越前辛味大根のおろしをかけた越前おろしそばをお楽しみください。

 

 

 

 

永平寺そば極 のそばをお取り寄せで

二八蕎麦と十割蕎麦、使用している粉の配合割合が違う事が分かったと思いますが、食べた時ののどごし、風味、食感が全然違いますので食べ比べてみるのもおすすめです。

 

永平寺そば極で使用しているそば粉は、完熟後に刈り取りを行う為、芳醇な香りと甘みが特徴的。

 

永平寺そば極では『永平寺町産玄そば』を使用した「永平寺そば手打ち十割生そば」や、そば粉と国産の小麦粉を配合して作られた「乾麺」共にお取り寄せが可能です。

 

食べ比べて蕎麦の風味やのどごしの違いをご確認ください。

 

 

その他のコラムを読む

越前そば雑学

ページトップへ