福井県越前そば 栽培品種と特性

 県内で栽培されるそば(夏そばを除く)は、専門機関で育種された改良品種ではなく、主に福井の地域に根付いた「在来種」のそばが栽培されています。
 在来種とは、その土地で昔から栽培されてきた品種であり、遺伝的なばらつきが大きく、集団の中でも様々な性質の個体が混在しています。一般に、改良品種と比べると脱粒性が高く収量性に劣りますが、食味では高く評価される傾向にあります。成熟度のばらつきが大きく、「雑駁(ざっぱく)」であることが、福井そばの独特の味や香りを高めていると考えられています。

   

 そばは、そもそも自家不和合性のため遺伝形質の固定が困難です。このた
め、育種された「品種」は全国的に多くありません。多くの場合、特定の地域で世代交代を重ね、他地域のそばとは異なる性質を現す「系統」を、その地域の名を取り「〇〇在来」と称して品種を扱っています。
 在来種自体は全国各地に存在しており、地域の特産物として生産されている例も見られますが、主産県においては主に改良品種が奨励されているため、規模は大きくありません。本県のように、県全域という規模・面積で在来種を生産している県は他にはなく、全国随一の在来種産地といえます。

    

 県内で栽培された在来種については、現在、福井県食品加工研究所に22 系統が保管されており、県内だけでも非常に多くの在来種が存在していることがわかります。
 平成2年から5年間にわたり福井県農業試験場で生態的な特徴を分類した結果、県内在来種は3~4つのグループに分類できることが分かっています。現在、県では、本県の代表的な在来種系統として「大野在来」「丸岡在来」「今庄在来」「美山南宮地在来」を選抜し、ブランド化を進めています。

    

    

県内在来種(福井県食品加工研究所に保管されている22系統)

美山在来  大野上庄在来  丸岡玄女在来  今庄在来  美山南宮地在  来勝山在来  丸岡末政在  来織田在来  美山味見在来  芦原上番在来 丸岡伏屋在来  美浜在来  敦賀在来  金津在来  松岡在来  上中在来大野在来  丸岡小黒在来  池田在来  大野落合在来  丸岡川上在来  南条牧谷在来

     

 県食品加工研究所の解析によると、県内の在来種は、総じて「小粒で殻が薄く、中身が詰まっている」ことが特徴と言えます。粉に加工したものは、α‐アミラーゼ(でんぷん分解酵素)活性が低く、ブレークダウン値(そば麺の粘度を示す値)が高い傾向がみられます。このことは、ゆでたときの麺のコシが強いことを示します。また、県内の在来種は、県外品種に比べそばの香りが強く、食味が優れている傾向があります。そばの香り成分が多く含まれる甘比部分は厚く、そばの実を甘皮ごと挽いてそば粉にする「挽きぐるみ」という挽き方が一般的に行われていることも、味・香りが優れたそば粉となる要因になり、美味しいそばになります。

     

       

福井県産北海道産北米産備考
粒の大きさ(ml/1,000粒) 36.144.655.71000粒のかさを表す。
数値が大きいほど粒が大きい。
容積重702684734数値が大きいほど充実度が高い。
果皮率(%)17.220.417.7果皮が少ないほど製粉歩合が良くなる。
タンパク質含量(%)13.112.211.8タンパク質含有量が高いと、一般的に粘性が高くなる。
ブレークダウン値155143100そば麺の粘度を表す。
数値が大きいほどゆで麺のコシが強い。

       

 

    

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