色々なお蕎麦屋さんを見ていると、お店の建物の横に水車があるのを見かけますよね。
たまたま川沿いだから？と思ってしまいがちですが、実はおそば作りと関係があるのです。
今回は、そば屋と水車の関係についてお話していきます。

水車は昔の人が活用していた機械的な存在

水車は水の力を利用して回転していますよね。
定期的に水車に羽根をつけており、水流にあたることで一定の方向へ回転します。
この回転の力は水のエネルギーによる力となりますが、水車の回転を回転させる力で機械的エネルギーに変えていきます。

実は昔から水車の力は利用されていた

水車のエネルギー利用は昔から行われていました。
中世ヨーロッパでも利用されていた水車の動力。
揚水、脱穀、製粉、鉱物採取など、力を使い時間もかかる作業で水車を利用していたのです。
水車の力で機械を動かすというこの発想。
環境や地球にも優しいエネルギーだなと思っています。

ちょっと話は変わりまして昔の石臼事情へ

おそば屋さんがそばを作るまでには大変な工程があります。
収穫したそばをそば粉にする際に石臼を使います。
石臼は元々手動で回転させてそば粉を作っていました。
ただ、この石臼は大きいし重いし、回転させるのには結構力もいるんです。

おそば屋さんにとっては手動の石臼を選ぶ理由

石臼でそば粉を作るのは大変というイメージがあるかもしれません。
でもおそば屋さんにとっては石臼って色々と使うメリットがたくさんあるのです。
最近では、便利化させている電動の石臼というのもあります。
そして他にも製粉専用の機会もあるのです。
電動の方が力もいりませんし、機会任せとなりますし、早くそば粉が挽けるという条件が揃います。
でも、そば屋さんにとって譲れない条件、「風味」で問題が出てきます。

おそば屋さんにとってはそば粉の風味は大事！

こだわりの高いおそば屋さんが重要視している事。
それはそば粉自身が持っている「風味の豊かさ」です。
そば粉の風味は、熱による干渉があると風味が劣ってしまうという問題点があります。
そして金属製のロールを使用してそば粉を挽く事によって生じてくるのが「機械熱」「回転熱」です。
電動による動きに伴う熱はそば粉の風味が劣ってしまう原因の一つともいえるでしょう。

同じ機械化でも石臼挽きを機械化する製粉の場合は、ある程度風味を保ったまま製粉が行えるメリットがあります。

電動・手動の製粉、どちらを使うかはそば屋さん次第

電動製粉だとそば粉が早く挽ける、そしてたくさん挽けるという点も大事なのですが、風味が落ちるという部分で妥協できないというおそば屋さんもいるのです。
そのため、風味を重視しているおそば屋さんの中には、今でも手動での製粉にこだわってそば粉を挽いています。

水車は石臼を挽くのに都合の良い動力

ちょっとそば粉と機械による製粉のお話になってしまいましたが、風味高いそば粉を作るために石臼を使うのがベストだと考えています。
使える動力がある場合は利用した方が便利ですよね。
そこで水車の原動力を利用できるのです。
大きい水車を設置してゆっくり回転させる、より多くの水の流れを羽根に当てて動かす、これらの動きは石臼をゆっくりと回転させるのに丁度よい動力となります。
水車による回転だと回転熱が起きる心配もありませんし、ゆっくり挽く事が出来るので、玄そば（固い殻がついている状態）を投入してもしっかりとすりつぶしてくれる頼もしい存在なのです。

現代でも使用しているというそば屋さんも

水車の力を利用してそば粉を挽いているというおそば屋さん。
実は今ではかなり少なくなってきています。
水車自体のメンテナンスも必要になってくるため、水車はあっても回転していないというお店もありますし、見た目の演出としてお店の中から電動で水車回転をしているというお店もあるのです。
ただ、実際に回転している水車を活用しているおそば屋さんもあります。
手動の石臼で挽いているおそば屋さんは、風味豊かなそば粉を挽いていることでしょう。

永平寺そば極のそばは石臼挽きです！

そば粉を製粉する機械化はメリットがある一方、デメリットもあるという事が分かったと思います。
ちなみに永平寺そば極で使用しているそば粉は、機械化はされているものの石臼を使用して挽いていますので風味豊かなそば粉に仕上げました。
そして挽いてとれるそば粉の量自体も、石臼挽きだと少なくなってしまうという問題点はあるのですが、そば粉の風味はしっかり残っています。

永平寺そば極が自信をもってお送りする十割そば

そばを完熟後に刈り取り、石臼挽きのそば粉で作り出す「永平寺そば極」の十割そば。
店舗でも提供していますが、お取り寄せも出来ます。
今まで食べていたおそばと全然違う！と驚く人もいるくらい、風味には自信があります。
越前そばの美味しさを是非、「永平寺そば手打ち十割生そば」で味わってみてください。